Von der Leyen Faces the Vote – Cyber Tech

On July 10, 2025, the European Parliament votes on a movement of censure towards Fee President Ursula von der Leyen and her complete School of Commissioners. This...

「銀のさら」AI盛り付けアプリ「mibae」が変えた教育と現場力 – Cyber Tech

「怒らない経営」が支える教育文化の土台 コロナ禍の中で宅配すしは急速に市場を拡大した。しかしその一方で深刻な人手不足や人材不足に悩まされ、人材育成が重要な課題となっている。 宅配すしチェーン「銀のさら」を傘下に持つライドオンエクスプレスホールディングスは1998年に「銀のさら」の前身、宅配すし「寿司衛門」を岐阜市にオープンその後、2000年には業態名を「銀のさら」に変更、全国展開した。現在店舗数は全国に367店舗(うち直営店は101店舗)を展開しているが、急拡大したことにより、店舗間の指導者格差、人材格差が大きな課題となっていた。 ランドオンエクスプレスの情報システム部プリンシパル兼エグゼクティブマネージャーの竹山覚氏は次のように語る。 「私たちはお寿司の業態なので、少しでもおいしい状態でお客様にお届けしようと創業以来切磋琢磨してきました。しかし店舗数なども増えていく中で、従業員にどう教育していくのか、大きな課題として浮上してきました。店舗数が増え一人の人が採点するのではなく、複数の人が採点するようになると、採点する側の見方によって評価がぶれてしまう。それが結果として店舗間でのクオリティーの差となって出てしまいます。これをなんとか均一化していきたいと思っていたわけです」 全国均一な評価基準とは何か。それをどうナショナルチェーンで展開していくのか。まさに試行錯誤の連続だったという。 「当時はまだAIなんてほとんど知られていませんでしたから、どうしていいのかわからなかった。2003年ぐらいから匠甲子園と称して全国のお店の人たちにお寿司をつくってもらって、その写真を送ってもらい、事前に本部で予選会のようなことをやって、そこから選ばれた人たちで全国大会をやっています。楽しく競い合ってもらいたいという思いです」(竹山氏) 楽しさにこだわっているのは代表の経営哲学に基づいている。 「私たちの代表の江見郎は『怒らない経営』を経営哲学に掲げております。ビジネスは多くの企業と競争しなければならない。そのためには感覚でやるのではなく、ロジカルに戦っていかなければ勝てない。怒りという一時の感情をぶつけても何も変わらない。何がいけないのかを指摘してあげる。怒られるよりも良いところをほめ、いけないところがあるのであれば、ロジカルに指摘してあげた方が効率もいいという発想をもっているわけです。どうすれば伸びてくれるのか、ということを考えるであれば、単に指摘するのではなく、遊びの要素も取り入れて楽しんで理解してもらいたいというところからこうした取り組みを進めているのです」(竹山氏) こうした発想をもとに動き出したのが教育チームだ。もともと研修チームとして、主に加盟企業や新入社員にお寿司の技術を教えることからスタート。店舗のマニュアル作りなども手掛けていた。 当初は社員3人、外部の講師3人でスタートしたが、現在は直営担当6人、フランチャイズ担当5の計11人程度。こうした教育チームに加えシステム開発部が参加し、このチームが2017年ごろからスマホを使って全国均一に指導できるよう教育システムの構築に動き出したが、そこから7~8年近くかけて開発がすすめられていったという。しかしこの間さまざまな試行錯誤があったという。 「最初はAIを使ってというよりも、スマホのカメラの機能やゲーム機能などを使って楽しく学ぶことはできないかという発想でこのプロジェクトを進めていましたが、その後すぐAIを導入してはどうかという話になりました」(同) その後コロナなどの影響で一時とん挫したこともあったが2021年ごろから再び開発は日の目を見ることになる。 「スマホカメラを使う際にAIに画像解析をやらせてみたらどうだろうという話が出てきました。そこでAIによる画像解析ができる企業を探し出し、発注しました」(同) 3,000枚の寿司写真と“反復学習”が育てたAI「mibae」 発注を受けたのはスマホアプリの開発やAIの画像処理に知見のあるITベンチャーのアットマークカフェ。画像解析にはディープラーニング(Deep Studying)を活用した。ディープラーニングは、人間の脳の神経回路を模した「人工ニューラルネットワーク」を使って、データから自動的に特徴やパターンを学習するAI技術だ。簡単に言うと、「大量のデータから自分で“コツ”をつかむ」ような仕組みで、従来の機械学習が「特徴を人間が設計する」のに対して、ディープラーニングではその特徴自体もモデルが自動で見つけ出す。 画像認識(猫と犬の画像を見分ける)、音声認識(人の話し声を文字に変換)、自然言語処理:翻訳、要約、文章生成などで活用している。 ライドオンエクスプレスはディープラーニングをするために、お寿司の一貫一貫のアウトラインを学習させるために、お寿司の単品の写真と寿司桶に盛り込んだ寿司の写真を読み込ませた。 「この会社はもともと電柱などを写真にとって、電柱が傾いているかどうか、を検証するために画像のディープラーニングを使っていたのですが、私どもが言っているような視点に基づいて採点していくシステムの開発については経験がありませんした。彼らは電柱の角度や折れていないかという知見から、お寿司のアウトラインを見て、お寿司の横のライン、お寿司が並べられている角度、埋められた円の中で隙間がないか、といったことについてはひとつひとつはできると感じていたようですが、それを全部組み合わせて採点できるのか、それがきれいにできるようになり、人間が採点したものと違和感がないものに到達するにはいったいどのくらいの時間がかかるのか、検討もつきませんでした」(同) 画像認識に使うためのデータとして何枚の写真が必要なのか。100枚なのか1000枚なのか、1万枚なのか、チューニングには相当苦労したという。 「その都度、写真の追加やパラメーターを調整しながらトライ&エラーを繰り返しました。人間と違和感のない採点ができるようになるまで2年から3年かかりました」(同) 使用した写真は3000枚程度。それぞれ正解の写真には正解(ラベル)をもとにして、AIがデータからパターンやルールを自動的に掘り起こしていく。いわば、教師(正解)ありの“反復練習”を通じて、未知のデータに対しても高精度に判断できるようになるのがディープラーニングの特徴だ。 まず教育担当者が見て100点の寿司桶を作り、そのあと80点の寿司桶を作る。その後50点、30点、20点と寿司桶のクオリティーを下げて、何がよくないのかを「mibae」に学ばせる。 “写真の撮り方”が評価を左右する盲点に...